世界的なコーチであり、実践版GRIT(グリット) やり抜く力を手に入れるの著者であるキャロライン・アダムス・ミラーさんの講演会が3/24(土)に開催されたので、お話を聞いてきました。直接レジリエンスの話ではありませんが、GRITとレジリエンスは関連性が深いので、今回は番外編としてブログに書きたいと思います。
講演では色々な事例を紹介しながら、GRITとは何か? GRITの高い人はどのような特徴があるか? そしてGRITを高めるにはどうしたら良いか? お話し頂きました。
ここで講演会の内容の全てをお伝えすることは出来ませんが、講演と書籍の中から私の心に響いたことを中心に少し書きたいと思います。興味ある方はぜひ読んで頂ければと思います。
なお、一度に一気に書こうと思ってましたが、思いのほか長くなりそうで私が辛いので、3回くらいに分けて書きたいと思います(^ ^)
【Authentic GRIT(本物のグリット)】
GRITは、心理学者であるアンジェラ・ダックワースさんが「なぜ才能のある人が必ずしも成功しないのか?」という疑問から研究を進め、成功にはGRIT(やり抜く力)、つまり「長期目標に対して情熱と粘り強さを持って取り組む力」が必要という研究成果をまとめて発表され、TEDトーク、さらには書籍にもなったことから注目を浴びるようになりました。
ただし、GRITにもGood GRIT、つまりAuthentic GRIT(本物のグリット)と、Bad GRITがあるとキャロラインさんは言います。
つまり簡単に図に表すとこうなります。
半分半分という割合の話ではなく、GRITにはGood GRITとBad GRITがあることを表していますので、その点は誤解無きようお願いします。
Good GRITとBad GRITの違いですが、Bad GRITがどのようなものか説明することで違いが分かると思います。キャロラインさんの書籍ではBad GRITには次の3つがあると書かれています。
・虚栄GRIT
・強情GRIT
・セルフィーGRIT
虚栄GRITは「周囲からの称賛を得るために、自分や他人を騙して何か困難なことを成し遂げたかのように振る舞い、実際には不正やごまかしや見せかけばかりの人たち」のこと。実際成し遂げていないのでGRITと言っていいのかも分からないレベルですね。。。
強情GRITは「長期的な目標に対する強情な追求であり、状況の変化が原因で、ポジティブな結果以上にネガティブな結果を生むもの」と定義されています。講演会のQ&Aで過労な人たちについて話題が出ましたが、仕方がなく過労になっている人はともかく、過労なレベルまで仕事をすることが素晴らしいとか、過労なレベルくらい仕事しないと評価しないとか、とにかく長く働くことを賛美するような文化の企業には強情GRITが多い気がします。私はそのような会社さん、いくつも見てきた気がします(現在進行形)。。。
なお、講演会で産業カウンセラーの方の「過労な人たちにそれが強情GRITだと気づいてもらうにはどうすれば良いか?」との質問に対して、キャロラインさんは次のような質問をすると良いのでは?と答えていました。
・このまま1年過ごしたらどうなると思いますか?
・死ぬ間際に自分の人生を振り返ったとき、あなたが後悔するとしたらどんなことでしょう?
さすがコーチのキャロラインさん! この質問とても使えそうな気がします(^ ^)
セルフィーGRITのセルフィーは自撮りのことですが、セルフィーGRITは「大きな障害(現実のもの、あるいは架空のもの)を乗り越えて勝利を勝ち取るといった、困難な目標の追求を、執拗なまでに賛美すること」と定義されています。ちょっと分かりづらいですが、書籍を読むとあたかも自分1人で成し遂げたかのように、執拗なまでの自己賛美をする、ナルシストな人といった感じでした。今は特にSNSなど発信が簡単にできる分、成し遂げたことをつい誇張してSNSへ投稿して自己賛美してしまうこともあると思います。そこは私自身も気をつけたいなと思いました。
以上がBad GRITの説明になりますが、書籍を読んだとき、Bad GRITの人が、自分自身がBad GRITであることに自分で気づくのは難しいのでは?と感じていました。ただ、講演でキャロラインさんが次のことをおっしゃっていて、これがヒントになりそうだと思いました。
・Bad GRITは「自分を傷つけたり、他人を傷つけたりするGRIT。そういう人には謙虚さが大切」
・Authentic GRITは「周りの人に良い影響を与える。個人が達成するだけではなく周りの人たちのGRITも高めることに繋がる」
・Authentic GRITを持っている人は、自分を助けてくれた人を忘れない。
・Authentic GRITを持っている人は、自分をサポートしてくれる人、あるいはサポートしてくれるチームを持っている。
今回は以上です。次回はGoal Settingを中心に、GRITを高める方法について書きたいと思います。